お問い合わせ
トップ » SORACOM IoT DIY レシピ » IoT で冷蔵庫・冷凍庫の温度監視

SORACOM IoT レシピ:IoT で冷蔵庫・冷凍庫の温度監視

ビーコン対応GPSトラッカーGWを使った「冷蔵庫の温度監視システム」

公開日: 2021年1月

レシピ難易度:★☆☆☆☆

IoT を利用して温度や湿度を計測したい、というニーズは多くありますが、冷蔵室・冷凍室・野菜室といったように複数個所の計測が必要な場合もあります。そのような場合、センサー 1 台 1 台から直接携帯回線や Wi-Fi でアップロードするのではなく、ゲートウェイにデータを集約してアップロードした方が効率が良い場合があります。

このレシピでは、センサーからのデータを BLE (Bluetooth Low Energy) 通信で集約しゲートウェイデバイスからアップロードする IoT システムのサンプルとして、「冷蔵庫の温度監視システム」を作ります。利用するデバイスは、BLE ゲートウェイ機能をもち LTE-M 通信による低消費電力で安定したセルラー通信ができる「ビーコン対応 GPS トラッカー GW」です。温湿度センサーには温度・湿度センサー搭載 BLE ビーコン「MM-BLEBC7」(サンワサプライ社) を利用します。このレシピでは、以下のようなダッシュボードが作成できます。

システムの構成

今回作成するシステムは以下のような構成となっています。

使用する SORACOM サービス

本レシピに連動した動画を公開しています

本レシピを行うのに必要な時間、概算費用

本レシピは以下の通りです。

  • 必要な時間: 約90分
  • 概算費用: 約55,000 円(操作用のパソコン本体を除く)

※ 概算費用: ハードウェアや SORACOM を始めとした各種サービスの概ねの費用 (送料などの付帯費用や無料枠適用は考慮しないものとしています)

このコンテンツの進め方

上から内容を読み進みながら作業を行なっていきます。また左サイドに追従する目次からページ内の移動が可能です。

本コンテンツは現状のままで提供され、株式会社ソラコムは、誤りがないことの保証を含め、明示であると黙示であるとを問わず、本コンテンツの記載内容につき、いかなる種類の表明も保証も行いません。

掲載情報の閲覧及び利用により、利用者自身、もしくは第三者が被った損害に対して、直接的、間接的を問わず、株式会社ソラコムは責任を負いかねます。

本コンテンツを実践する中で用意された機器、利用されたサービスについてのご質問は、それぞれの機器やサービスの提供元にお問い合わせをお願いします。機器やサービスの仕様は、本コンテンツ作成当時のものです。

株式会社ソラコムが提供する機器・サービスについてのご質問はフォームで受け付けております。機器・サービスご利用前の導入相談は https://soracom.jp/contact/ に、機器・サービスご利用開始後のサポートは、SORACOMユーザーコンソール内のサポートサイトから「リクエストを送信」(要ログイン)にてお問い合わせください。

Copyright (c) 2023 SORACOM, INC.

準備

本レシピを行うためには以下のものをご用意ください。

ハードウェア

品名数量価格備考
ビーコン対応GPSトラッカーGWスターターキット(BLE温湿度センサー3個セット)154,780円キットの中には以下のものが含まれています。
・ビーコン対応GPSトラッカーGW
SORACOM Air SIMカード plan-D サイズ:ナノ x 1枚
温度・湿度センサー搭載BLEビーコン(3個セット)MM-BLEBC7 x 1式
・ビーコン対応GPSトラッカーGW(BLE温湿度センサーセット)用USBケーブル (Type-A ↔ Type-C) x 1本
Windows OS を搭載したパソコン1ビーコン対応 GPS トラッカー GW への設定および SORACOM ユーザコンソールの操作に用います。
当レシピでは Windows 10 Pro で検証しました。インターネット接続が可能でサイトへの接続が自由であること、Google Chrome 等の最新ブラウザーが利用可能な事が必要です。
(必要な方のみ) USB Type-C ケーブル 1パソコンのUSBポートが Type-C のみだった場合は、Type-C ↔ Type-C ケーブルをご用意ください。

※ 金額はレシピ作成時となります。表示金額は税込み・送料別です。

ご購入について

ハードウェアは以下よりご購入いただけます。

その他必要なもの

必要なもの費用作成方法など
SORACOM アカウント無料※SORACOM アカウントの作成 (JP)

※ アカウント作成・維持の費用の料金です。

ビーコン対応 GPS トラッカー GW が届いたら

ビーコン対応 GPS トラッカー GW は SIM を挿入することでセルラー通信 (LTE-M) を通じて、クラウドと連携できるようになります。そのため、まず ビーコン対応 GPS トラッカー GW に同梱されている SIM を SORACOM へ登録をしましょう。
※ すでに登録済み、もしくは登録済みの別の SIM を利用する場合は次へお進みください。

登録の方法は発注済みの SIM を登録する(JP)をご覧ください。約5分で完了します。

登録が完了すると SIM 管理の一覧に表示されますので、確認ください。

SIM をビーコン対応 GPS トラッカー GW に取り付ける

SORACOM 特定地域向け IoT SIM (以下 SIM) をカードから切り離し、ビーコン対応 GPS トラッカー GW の側面に挿入します。

デバイスを機内モードに遷移する

SIM カードの抜差しは機内モードにて実施します。LED ランプ横のボタンを 4 秒以上押すと、LED ランプが緑から赤に変化します。赤 LED ランプが 3 秒点灯後、橙LEDランプが 1 秒点灯し、消灯します。消灯後ボタンを離せば、機内モードへ遷移します。ボタンは付属の SIM ピンなどを用いて押してください。

SIM カバーを取り外す

SIM カバー右上にある凹みに SIM ピンを引っ掛けて SIM カバーを取り外します。取り外した SIM カバーの紛失にはお気を付けください。

SIM トレイを取り外す

ツメに指をかけトレイをまっすぐに引き出します。トレイが引き出しにくい場合は、トレイのツメ部分に SIM ピンやご自身の爪などをひっかけて引き出してください。取り出したSIMトレイはこの後利用します。紛失にはお気を付けください。

SIM を取り付ける

画像のように、前後・上下の向きに注意して SIM を取り付けます。その後、奥まで差し込み SIM カバーを取り付けます。

SORACOM との接続を確認する

LED ランプ横のボタンを 1 秒以上押すと LED が緑色点灯して通常モードに遷移し、通信を開始します。SORACOM ユーザーコンソールの SIM 管理画面より取り付けた SIM が「オンライン」となっていることを確認してください。

LED が点灯しない場合は電池残量が無いことが考えられます。USB Type-C ケーブルで充電してください。

SORACOM Orbit の準備

SORACOM Orbit とは、デバイスから送信されたデータを SORACOM プラットフォーム内で加工するサービスです。ビーコン対応 GPS トラッカー GW から送信されたデータを、後続のステップで扱いやすいよう加工するのに利用します。

プログラムのダウンロード

こちらのリンクより最新版の .wasm ファイルをダウンロードして下さい。プログラムの詳細は GitHub リポジトリに記載されています。

Soraletの作成/WASMモジュールのアップロード

SORACOM Orbit で使用する WASM モジュールをアップロードするために、その入れ物である Soralet (ソラレット) を作成します。本レシピでは SORACOM ユーザーコンソールから Soralet を作成します。

[Menu]>[SORACOM Orbit]>[Soralet 管理]とクリックして Soralet 管理画面を開きます。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 4e3740f9727f4ca8.png です

次に[新規作成]ボタンを押し、Soraletの作成ダイアログを開きます。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 983b0f1ed9d885f9.png です

Soralet IDに beacon-gw-soralet と入力し、[作成]をクリックします。

この画像には alt 属性が指定されていません

Soralet 管理画面に作成した Soralet が表示されていることを確認し、作成した Soralet をクリックし、WASM の管理画面を開きます。

この画像には alt 属性が指定されていません

WASMの管理画面にて[新しいWASMをアップロード]をクリックし、アップロード用のダイアログを開きます。

この画像には alt 属性が指定されていません

ダイアログから先ほどダウンロードした WASM ファイル(soralet-beacon-gps-tracker.wasm) を選択し、アップロードをクリックします。

この画像には alt 属性が指定されていません

アップロードが完了すると WASM 管理画面にアップロードした WASM の SRN が表示されます。

この画像には alt 属性が指定されていません

SORACOM のグループ設定

ビーコン GW から送信されたデータをフォーマットし格納するため、SORACOM のグループを設定します。

グループの設定

まずはビーコン GW の SIM をグループへ所属させます。ユーザーコンソールの SIM 管理画面より対象の SIM を選択し [操作] > [所属グループ変更] を選択します。

この画像には alt 属性が指定されていません

設定したいグループを新規に作成するか、既存のグループを選択し[グループ変更] をクリックします。

この画像には alt 属性が指定されていません

グループを変更出来たら、グループ名をクリックして設定します。

この画像には alt 属性が指定されていません

バイナリパーサーの設定

ビーコン GW からはデータ通信量削減および省電力のため、バイナリ形式でデータが送信されます。読みやすい JSON フォーマットに変換するため、バイナリパーサーを設定します。[基本設定] > [SORACOM Air for Cellular 設定] を展開し、バイナリーパーサーを設定してください。

バイナリーパーサーを ON にし、以下のフォーマットをコピー・ペーストし、[保存] をクリックします。

type::int:8 bat::uint:8 timestamp::char:12 sns_valid_no::uint:32:little-endian adv_add::char:12 sns1::float:32:little-endian sns2::float:32:little-endian sns3::float:32:little-endian sns4::float:32:little-endian sns5::float:32:little-endian sns6::float:32:little-endian sns7::float:32:little-endian sns8::float:32:little-endian sns9::float:32:little-endian sns10::float:32:little-endian sns11::float:32:little-endian sns12::float:32:little-endian sns13::float:32:little-endian sns14::float:32:little-endian sns15::float:32:little-endian sns16::float:32:little-endian sns17::float:32:little-endian sns18::float:32:little-endian sns19::float:32:little-endian sns20::float:32:little-endian sns21::float:32:little-endian sns22::float:32:little-endian sns23::float:32:little-endian sns24::float:32:little-endian
この画像には alt 属性が指定されていません

当フォーマットは後述するキッティングツールからもコピーできます。

SORACOM Harvest Data の有効化

データを格納するため、SORACOM Harvest Data を有効化します。[基本設定] > [SORACOM Harvest Data 設定] を展開し、サービスを ON にし、[保存] をクリックします。

この画像には alt 属性が指定されていません

SORACOM Orbit の設定

設定を ON にし、CODE SRN 右側のアイコンをクリックします。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は d6c48fc334a708a3.png です

SORALET に beacon-gw-soralet、SORALET VERSION に LATEST を指定します。

この画像には alt 属性が指定されていません

DIRECTION の uplink にチェックを入れ、[保存] をクリックします。

この画像には alt 属性が指定されていません

ビーコン対応 GPS トラッカー GW のドライバ・キッティングツールをセットアップ

ドライバのセットアップ

以下 URL のメーカー Web サイトよりダウンロードします。

「ビーコン対応GPSトラッカーGW」の「USBドライバ ダウンロード」から、お使いのOSバージョンに合わせたファイルをダウンロードしてください。

https://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/office/iot/development/download/

ビーコン対応GPSトラッカーGWの設定は、Windowsのみで行うことが可能です。

ダウンロード後、exe ファイルを実行してドライバーをインストールします。

ドライバのインストール時にセキュリティの警告が出る場合があります。「詳細情報」> 「実行」のクリックによりインストールを続行してください。

キッティングツールのセットアップ

キッティングツールは PC よりビーコン GW を設定するためのツールです。ダウンロードページよりダウンロードします。

ダウンロード後、exe ファイルを実行してキッティングツールを起動します。

キッティングツールの実行時にセキュリティの警告が出る場合があります。「詳細情報」> 「実行」のクリックによりインストールを続行してください。
なお、2回目以降で表示されることはありません。

セットアップの確認

ドライバのインストールとキッティングツールの起動が完了した状態で USB にてビーコン GW を PC に接続し、キッティングツールの「端末へダウンロード」ボタンをクリックします。

「設定ファイルの保存」を行いますか?といったダイアログについては、この時点では “いいえ” を押してください。

「ポート」にて COMXX が確認できればセットアップが正常に完了しています。

このダイアログでは “キャンセル” を押してください。

BLE センサーの準備

BLE センサーの確認

ビーコン対応GPSトラッカーGWスターターキット(BLE温湿度センサー3個セット)に同封されている温度・湿度センサー搭載 BLE ビーコン「MM-BLEBC7」(以後、BLE センサー) を取り出し、全てのBLEビーコンの裏面に 12 桁の英数字が記載されていることを確認します。こちらは後程キッティングツールで使用します。

MM-BLEBC7 背面の様子

BLE センサーの起動

3台のBLE センサー裏面のボタンを長押しして起動します。表面で青色 LED が 5 秒ほど点灯したことを確認できたら、電源が ON になっています。
5 回の点滅が見られる場合は電源が OFF となっていますので、再度長押ししてください。

キッティングツールの設定

共通項目

キッティングツールを起動し、[共通項目] を以下のように設定します。各設定項目の詳細はビーコン対応 GPS トラッカー GW ユーザーガイド – 機能の説明を参照して下さい。

Step1 利用モードゲートウェイモード (時間指定)
利用時間 1任意の時間 (例では 0:00 ~ 23:59)
Step2 クラウドへの送信項目ビーコン情報を送信する
(位置情報を送信する、は OFF にする)
ビーコンを受信する周期100 ms
受信許可時間100 ms
RSSI90 dBm
Step3 ビーコン情報のクラウドへの送信条件一定期間に一回のみ
時間180 秒

「利用時間1」で指定した時間にデータが送信されます。常に送信したい場合は 0:00 ~ 23:59 のように指定してください。日を跨いだ指定も可能です。

ビーコン項目

今回は3台のセンサーをそれぞれ「冷蔵室」「冷凍室」「野菜室」に置き、センサー1つで温度・湿度の2つをセンシングするので、このビーコン項目は計6回設定することになります。

ビーコン項目タブを開き、No.1 の行にて右クリック > [編集] を選択します。

以下のように設定します。

項目
機種MM – BLEBC7 サンワサプライ
要素1センサー裏面に記載された 12 文字の英数字
要素2FFE1 (変更不要)
センサー温度

これで1台目のセンサーの温度のセンシングが可能となります。
以降、1台目の湿度の設定、そして2台目/3台目の設定を以下の通り行ってください。

スロット設定
1要素1 (AdvA): 冷蔵室用センサーの裏面の英数字, センサー: 温度
2要素1 (AdvA): 冷蔵室用センサーの裏面の英数字, センサー: 湿度
3要素1 (AdvA): 冷凍室用センサーの裏面の英数字, センサー: 温度
4要素1 (AdvA): 冷凍室用センサーの裏面の英数字, センサー: 湿度
5要素1 (AdvA): 野菜室用センサーの裏面の英数字, センサー: 温度
6要素1 (AdvA): 野菜室用センサーの裏面の英数字, センサー: 湿度

(参考) バイナリパーサーのフォーマットのコピー

ここで「共通項目」タブへ移動し、クラウドの送信データフォーマットを「表示」をクリックします。
「9. SORACOM のグループ設定」にてコピー・ペーストしたバイナリパーサーのフォーマットがコピーできます。今後利用モードや送信項目などを変更する際はフォーマットが変更されますので、このメニューから再度コピーしグループ設定に貼り付けてください。当手順では何もしません。

データの送信開始

キッティングツールの「端末へダウンロード」より、設定情報をビーコン GW へダウンロードします。ビーコン GW の再起動後、データが 180 秒間隔で送信されます。

「設定ファイルの保存」を行いますか?といったダイアログについては、任意です。保存しておくことで再利用が可能となりますので、保存をお勧めいたします。

データの確認

SORACOM ユーザーコンソールの SIM 一覧画面よりビーコン GW の SIM を選択し [操作] > [データを確認] を選択します。

sns1 ~ sns6 のデータが送信されていることを確認します。

データはBLEセンサー毎に送信されます。そのため、3台稼働している場合は3件のデータとして送信されてきます。

設置する

SORACOM Harvest Data 動作の確認ができたらBLEセンサー3台、およびビーコン対応GPSトラッカーGWを設置しましょう。

ビーコン対応GPSトラッカーGW

ビーコン対応GPSトラッカーGWはバッテリーもしくはUSBポートを持つACアダプタを電源にできます。BLEセンサーに近く、LTE-Mの通信が可能な場所に設置してください。

BLEセンサー

BLEセンサーをそれぞれ「冷蔵室」「冷凍室」「野菜室」に設置します。

冷蔵室のドアポケットに設置した様子

設置した後は再度SORACOM Harvest Dataにてデータが収集できているか確認してください。

冷蔵庫によっては電波を遮ってしまうタイプのものがあり、BLEセンサーとビーコン対応GPSトラッカーGWとの通信ができずに、データ収集に失敗してしまう場合があります。設置位置を変更してみてください。

SORACOM Lagoon でダッシュボードを作成する (有効化まで)

SORACOM Harvest Data に蓄積されたデータを SORACOM Lagoon で活用していきます。

SORACOM Lagoon 用語解説

ここで SORACOM Lagoon で使われる用語を解説します。

用語意味
プランSORACOM Lagoon の契約プランです。プランによって機能と料金が異なり、今回は無料の Free プランを利用します。SORACOM Lagoon のご利用料金に機能や料金の比較表があります。
SORACOM Lagoon ユーザー(Lagoon ユーザー)SORACOM Lagoon へログインするためのユーザー( ID とパスワードの組)です。
SORACOM ユーザコンソールへのログインとは異なるユーザ一覧となり、皆さん自身で登録・削除が可能です。ダッシュボードやパネルを編集できる「編集可能」と表示専用の「読み取り」の2段階の権限を設定できます。作成可能数はプランによります。
リソースの種類表示するデータの種別です。SORACOM Lagoon では以下の4つの中から選び、その中からノード(SIMや回線)を選択します。
・Air = SORACOM Air for セルラー (SORACOM IoT SIM)
・Lora = SORACOM Air for LoRaWAN デバイス
・Sigfox = SORACOM Air for Sigfox デバイス
・Device = SORACOM Inventory デバイス
今回はSIMなので、「Air」の SIM を選択します。
パネル (Panel)パネルはデータを表示する領域です。データソースとメトリクスを指定すると、そのメトリクス(たとえば SIM )のデータをパネルで使えるようになります。様々なパネルが存在します。
ダッシュボード (Dashboard)複数のパネルを束ねて「1枚の画面」にしたものがダッシュボードです。共有の画面表示単位となります。
アラート (Alert)リソースのメトリクスデータに対して条件を設定し、その条件を満たしたら通知を行う仕組みの事です。
データリフレッシュSORACOM Harvest から SORACOM Lagoon へデータが反映される事、もしくは反映タイミングとなります。反映タイミングはプランによります。

SORACOM ユーザーコンソールの[Menu]>[データ収集・蓄積・可視化]>[SORACOM Lagoon]とクリックします。

[SORACOM Lagoon の利用を開始する]をクリックします。

プランのうち Free の[選択する]ボタンクリックし、[次へ]をクリックします。

SORACOM Lagoon ユーザーの初期ユーザーに設定するパスワードを入力した後、[利用開始]をクリックします。

SORACOM Lagoon ユーザーの初期ユーザの ID は?
ID は SORACOM ユーザコンソールにログインしたときのメールアドレスが使われることになります。そのため、ここではパスワードのみ設定することになります。SORACOM ユーザコンソールへのログインとは異なるパスワードを設定する事を強くお勧めします。

利用開始がクリックできない場合は?
パスワードの条件が不足しています。全てに✔がつくようにパスワードを設定してください。

SORACOM Lagoon の有効化に成功すると、以下のように SORACOM Lagoon コンソールへのリンクが表示されます。この画面を SORACOM Lagoon 管理画面と呼びます。

Lagoon 3 で SORACOM のデータを取り扱うために、Lagoon 3 の利用を開始すると、オペレーターごとに Lagoon 3 専用の SAM ユーザーが作成されます。ただし、標準では、この SAM ユーザーには「Harvest Files にファイルをアップロードする権限」が付与されていません。そのため、Soracom X/Y Image で Harvest Files に画像をアップロードできません。
本レシピでは必要ありませんが、Harvest Files に画像をアップロードする機能を利用するには、ユーザーコンソールのSORACOM Lagoon画面で、[アクセスを許可] をクリックして、必要な権限を付与してください。

SORACOM Lagoon でダッシュボードを作成する (SORACOM Lagoon へのログインまで)

SORACOM Lagoon 管理画面を表示したあと、[SORACOM Lagoon3 コンソール]ボタンをクリックします。

SORACOM Lagoon 管理画面は [Menu]>[データ収集・蓄積・可視化]>[SORACOM Lagoon]で表示する事ができます。

SORACOM Lagoon へログインします。

メールアドレス (SORACOM ユーザコンソールへログインする際のメールアドレス) と、SORACOM Lagoon 初期ユーザ作成時に利用したパスワードでログインします。

ログインに成功すると、以下のような画面が表示されます。これが SORACOM Lagoon ログイン直後の画面です。ここから「ダッシュボード」や「パネル」を作成していきます。

背景を白くしたい
SORACOM Lagoon の標準では背景が黒となっています。これは設定で変更が可能です。左下のアイコンにカーソルを合わせて表示される[Preferences]をクリックします。

設定画面に “UI Theme” を “Light” に変更して[Save]ボタンをクリックすると、背景が白くなります。

SORACOM Lagoon でダッシュボードを作成する (ダッシュボードのインポートまで)

可視化する ビーコン GW の IMSI を控える

SORACOM ユーザーコンソールの SIM 管理画面より「詳細」をクリックし 15 桁の数字の IMSI を控えます。

サンプルダッシュボードを利用する

SORACOM Lagoon では JSON 形式で記述されたモデルをインポートできます。全てのパネルを自身で作成することも可能ですが、作成したいイメージに近いサンプルダッシュボードをインポートできれば作成の時間を短縮でき、その後カスタマイズできます。

ここでは、インポートのためのテンプレートを作成します。ビーコン対応 GPS トラッカー GW のサンプルダッシュボードを開き、「このダッシュボードを使う」をクリックします。当ページでは、SIM の IMSI をもとに Lagoon ダッシュボードのテンプレートを作成します。

先ほど控えた IMSI を入力し、「テンプレートを作成する」をクリックします。

続いて「テンプレートのインポート」画面では「クリップボードへコピー」、「SORACOM Lagoon でインポート」をクリックしてください。なお、今後のために保存しておきたい場合は「JSON ファイルとしてダウンロード」利用してください。

「SORACOM Lagoon でインポート」をクリックすると、Lagoon のインポート画面に遷移します。「Import via panel json」に先ほどクリップボードにコピーした JSON を貼り付けてください。Windows の場合は Ctrl + V、Mac OS の場合は ⌘ (Command) + V で貼り付けできます。[Load]ボタンをクリックして進めます。

JSON ファイルが貼り付けられなかった場合は、再度先ほどのサンプルダッシュボードのページよりコピーしてください。

インポートの詳細画面に遷移します。Harvestにて [Harvest] を選択し、「Import」ボタンをクリックしインポートを実行します。

「Access denied to this dashboard」と表示されることがあります

[Folder] で「General」を選択して [Import] をクリックすると、「Access denied to this dashboard」と表示されますが、動作に影響はありません。

すでに Lagoon でダッシュボードを作成している場合、「作成数の上限に達しています」と表示される可能性があります。不要なダッシュボードがあれば削除した後、再度インポートしてください。削除できるダッシュボードがなければ、プランのアップグレードを検討してください。プランごとの料金は、SORACOM Lagoon のご利用料金を参照してください。

インポートに成功すれば、ダッシュボードが表示されます。サンプルダッシュボードの解説やカスタマイズは「ビーコン対応 GPS トラッカー GW と SORACOM Lagoon で高度に可視化する」を参照してください。

以上で全ての設定が終了です。

あとかたづけと注意事項

本レシピでは費用がかかるサービスを利用しています。
本項をよく読み、必要な操作や解除作業を行うようにして、想定外の費用が掛からないようにしてください。

費用について

ここで記載している金額は全て税込み、送料別となります。

SORACOM プラットフォームの利用料金

サービス/機能料金
SORACOM Air (plan-D)基本料: 11円/日通信料: 0.22円~/MB(今回の利用であれば 1MB 以内で収まる範囲)
SORACOM Harvest Data本機能を有効にしたグループに所属する1SIMあたり5.5円/日 (2000リクエスト/日/SIMを含む)2000リクエスト/日を超えた分は0.0044円/リクエスト
SORACOM Lagoon今回は Free プラン(無料)を使用しました。
SORACOM Orbit本機能を利用したSIMあたり22円/日、10,000 リクエストあたり 44円

無料利用枠について
SORACOM サービスでは一部サービスにおいて無料枠が設定されています。たとえば SORACOM Air for セルラーであればアカウント毎で30円/月の通信分や、SORACOM Harvest Data であれば31日分の書込みリクエスト、SORACOM Orbit であれば 1SIM 分の無料利用枠、10,000 リクエスト分のリクエスト無料利用枠などです。料金詳細に「無料利用枠」として掲載されていますので、ご確認ください。

グループ解除

SORACOM Harvest Data 等、「機能が有効になっているグループに所属している SIM × 費用」となっているサービスにおいては、「機能を OFF にする」することで費用の発生を抑えることができます。またもう1つの方法として「グループに所属している SIM の数を減らす(= 解除する)」事でも費用を抑える事ができます。

グループ解除の方法はグループからの解除 (JP)をご覧ください。

SORACOM Harvest Data のデータ削除(任意)

SORACOM Harvest Data は基本的にはデータ保管料は無料※です。そのため、保存しておいても害はありませんが、デモ等で利用する際にはデータを綺麗にしておく必要が出てくるため、データ削除について解説します。

※発生から40日を超えたデータは削除されます。40日以上データを保管したい場合はデータ保持期間延長オプション利用料金をご利用ください。

SORACOM Harvest Data 画面 ([操作]>[データを確認]) のデータテーブルで、削除したいデータのチェックボックスを付けた後に[削除]をクリックします。表示されたダイアログで改めて[削除]をクリックすると、削除されます。
※ 複数のデータにチェックをつければ一括で削除可能です。

データの復元はできませんのでご注意ください。

SORACOM Lagoon の解約

SORACOM Lagoon はオンラインで解約が可能です。 Free プランであれば有効化しておいても費用は発生しませんが、長期に渡って利用しない場合には解約も選択いただけます。

解約の方法はSORACOM Lagoon の解約(JP)をご覧ください。

次のステップ

本レシピではビーコン対応 GPS トラッカー GW による「冷蔵庫の温度監視システム」を作りました。この後の発展形について解説します。

アラート機能の設定

SORACOM Lagoon は可視化を行うダッシュボードの作成だけでなく、値に応じたアラートを作ることも可能です。アラートのアイディアは以下の通りです。

  • 開けっ放しや停電などによる温度の上昇を検知したアラート
  • バッテリー残量の低下を検知したアラート

スマートフォンからの閲覧(データの共有)

SORACOM Lagoonはスマートフォンやタブレットからの表示に対応しています。外出先や他の方との情報共有に利用可能です。スマートフォンで見た時の様子がこちらです。

Maker および Pro プランなら、閲覧専用ユーザーを作ることができます
SORACOM Lagoonの上位プラン「Maker」もしくは「Pro」であれば、閲覧専用ユーザーを作成できます。これにより、情報共有の範囲や運用の柔軟性を高めることが可能です。詳しくはSORACOM Lagoon のご利用料金をご覧ください。

商品ページに戻る

SORACOM IoT DIY レシピ »

ご質問などはこちらよりお問い合わせください。