SORACOM IoT レシピ:IoT で冷蔵庫・冷凍庫の温度監視
ビーコン対応GPSトラッカーGWを使った「冷蔵庫の温度監視システム」
公開日: 2021年1月
レシピ難易度:★☆☆☆☆
IoT を利用して温度や湿度を計測したい、というニーズは多くありますが、冷蔵室・冷凍室・野菜室といったように複数個所の計測が必要な場合もあります。そのような場合、センサー 1 台 1 台から直接携帯回線や Wi-Fi でアップロードするのではなく、ゲートウェイにデータを集約してアップロードした方が効率が良い場合があります。
このレシピでは、センサーからのデータを BLE (Bluetooth Low Energy) 通信で集約しゲートウェイデバイスからアップロードする IoT システムのサンプルとして、「冷蔵庫の温度監視システム」を作ります。利用するデバイスは、BLE ゲートウェイ機能をもち LTE-M 通信による低消費電力で安定したセルラー通信ができる「ビーコン対応 GPS トラッカー GW」です。温湿度センサーには温度・湿度センサー搭載 BLE ビーコン「MM-BLEBC7」(サンワサプライ社) を利用します。このレシピでは、以下のようなダッシュボードが作成できます。
システムの構成
今回作成するシステムは以下のような構成となっています。
使用する SORACOM サービス
- データ通信サービス SORACOM Air
- データ収集・蓄積サービス SORACOM Harvest Data
- ダッシュボード作成・共有サービス SORACOM Lagoon
本レシピに連動した動画を公開しています
本レシピを行うのに必要な時間、概算費用
本レシピは以下の通りです。
- 必要な時間: 約90分
- 概算費用: 約55,000 円(操作用のパソコン本体を除く)
※ 概算費用: ハードウェアや SORACOM を始めとした各種サービスの概ねの費用 (送料などの付帯費用や無料枠適用は考慮しないものとしています)
このコンテンツの進め方
上から内容を読み進みながら作業を行なっていきます。また左サイドに追従する目次からページ内の移動が可能です。
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準備
本レシピを行うためには以下のものをご用意ください。
ハードウェア
品名 | 数量 | 価格 | 備考 |
ビーコン対応GPSトラッカーGWスターターキット(BLE温湿度センサー3個セット) | 1 | 54,780円 | キットの中には以下のものが含まれています。 ・ビーコン対応GPSトラッカーGW ・SORACOM Air SIMカード plan-D サイズ:ナノ x 1枚 ・温度・湿度センサー搭載BLEビーコン(3個セット)MM-BLEBC7 x 1式 ・ビーコン対応GPSトラッカーGW(BLE温湿度センサーセット)用USBケーブル (Type-A ↔ Type-C) x 1本 |
Windows OS を搭載したパソコン | 1 | ― | ビーコン対応 GPS トラッカー GW への設定および SORACOM ユーザコンソールの操作に用います。 当レシピでは Windows 10 Pro で検証しました。インターネット接続が可能でサイトへの接続が自由であること、Google Chrome 等の最新ブラウザーが利用可能な事が必要です。 |
(必要な方のみ) USB Type-C ケーブル | 1 | ― | パソコンのUSBポートが Type-C のみだった場合は、Type-C ↔ Type-C ケーブルをご用意ください。 |
※ 金額はレシピ作成時となります。表示金額は税込み・送料別です。
ご購入について
ハードウェアは以下よりご購入いただけます。
その他必要なもの
必要なもの | 費用 | 作成方法など |
SORACOM アカウント | 無料※ | SORACOM アカウントの作成 (JP) |
※ アカウント作成・維持の費用の料金です。
ビーコン対応 GPS トラッカー GW が届いたら
ビーコン対応 GPS トラッカー GW は SIM を挿入することでセルラー通信 (LTE-M) を通じて、クラウドと連携できるようになります。そのため、まず ビーコン対応 GPS トラッカー GW に同梱されている SIM を SORACOM へ登録をしましょう。
※ すでに登録済み、もしくは登録済みの別の SIM を利用する場合は次へお進みください。
登録の方法は発注済みの SIM を登録する(JP)をご覧ください。約5分で完了します。
登録が完了すると SIM 管理の一覧に表示されますので、確認ください。
SIM をビーコン対応 GPS トラッカー GW に取り付ける
SORACOM 特定地域向け IoT SIM (以下 SIM) をカードから切り離し、ビーコン対応 GPS トラッカー GW の側面に挿入します。
デバイスを機内モードに遷移する
SIM カードの抜差しは機内モードにて実施します。LED ランプ横のボタンを 4 秒以上押すと、LED ランプが緑から赤に変化します。赤 LED ランプが 3 秒点灯後、橙LEDランプが 1 秒点灯し、消灯します。消灯後ボタンを離せば、機内モードへ遷移します。ボタンは付属の SIM ピンなどを用いて押してください。
SIM カバーを取り外す
SIM カバー右上にある凹みに SIM ピンを引っ掛けて SIM カバーを取り外します。取り外した SIM カバーの紛失にはお気を付けください。
SIM トレイを取り外す
ツメに指をかけトレイをまっすぐに引き出します。トレイが引き出しにくい場合は、トレイのツメ部分に SIM ピンやご自身の爪などをひっかけて引き出してください。取り出したSIMトレイはこの後利用します。紛失にはお気を付けください。
SIM を取り付ける
画像のように、前後・上下の向きに注意して SIM を取り付けます。その後、奥まで差し込み SIM カバーを取り付けます。
SORACOM との接続を確認する
LED ランプ横のボタンを 1 秒以上押すと LED が緑色点灯して通常モードに遷移し、通信を開始します。SORACOM ユーザーコンソールの SIM 管理画面より取り付けた SIM が「オンライン」となっていることを確認してください。
LED が点灯しない場合は電池残量が無いことが考えられます。USB Type-C ケーブルで充電してください。
SORACOM Orbit の準備
SORACOM Orbit とは、デバイスから送信されたデータを SORACOM プラットフォーム内で加工するサービスです。ビーコン対応 GPS トラッカー GW から送信されたデータを、後続のステップで扱いやすいよう加工するのに利用します。
プログラムのダウンロード
こちらのリンクより最新版の .wasm ファイルをダウンロードして下さい。プログラムの詳細は GitHub リポジトリに記載されています。
Soraletの作成/WASMモジュールのアップロード
SORACOM Orbit で使用する WASM モジュールをアップロードするために、その入れ物である Soralet (ソラレット) を作成します。本レシピでは SORACOM ユーザーコンソールから Soralet を作成します。
[Menu]>[SORACOM Orbit]>[Soralet 管理]とクリックして Soralet 管理画面を開きます。
次に[新規作成]ボタンを押し、Soraletの作成ダイアログを開きます。
Soralet IDに beacon-gw-soralet と入力し、[作成]をクリックします。
Soralet 管理画面に作成した Soralet が表示されていることを確認し、作成した Soralet をクリックし、WASM の管理画面を開きます。
WASMの管理画面にて[新しいWASMをアップロード]をクリックし、アップロード用のダイアログを開きます。
ダイアログから先ほどダウンロードした WASM ファイル(soralet-beacon-gps-tracker.wasm) を選択し、アップロードをクリックします。
アップロードが完了すると WASM 管理画面にアップロードした WASM の SRN が表示されます。
SORACOM のグループ設定
ビーコン GW から送信されたデータをフォーマットし格納するため、SORACOM のグループを設定します。
グループの設定
まずはビーコン GW の SIM をグループへ所属させます。ユーザーコンソールの SIM 管理画面より対象の SIM を選択し [操作] > [所属グループ変更] を選択します。
設定したいグループを新規に作成するか、既存のグループを選択し[グループ変更] をクリックします。
グループを変更出来たら、グループ名をクリックして設定します。
バイナリパーサーの設定
ビーコン GW からはデータ通信量削減および省電力のため、バイナリ形式でデータが送信されます。読みやすい JSON フォーマットに変換するため、バイナリパーサーを設定します。[基本設定] > [SORACOM Air for Cellular 設定] を展開し、バイナリーパーサーを設定してください。
バイナリーパーサーを ON にし、以下のフォーマットをコピー・ペーストし、[保存] をクリックします。
type::int:8 bat::uint:8 timestamp::char:12 sns_valid_no::uint:32:little-endian adv_add::char:12 sns1::float:32:little-endian sns2::float:32:little-endian sns3::float:32:little-endian sns4::float:32:little-endian sns5::float:32:little-endian sns6::float:32:little-endian sns7::float:32:little-endian sns8::float:32:little-endian sns9::float:32:little-endian sns10::float:32:little-endian sns11::float:32:little-endian sns12::float:32:little-endian sns13::float:32:little-endian sns14::float:32:little-endian sns15::float:32:little-endian sns16::float:32:little-endian sns17::float:32:little-endian sns18::float:32:little-endian sns19::float:32:little-endian sns20::float:32:little-endian sns21::float:32:little-endian sns22::float:32:little-endian sns23::float:32:little-endian sns24::float:32:little-endian
当フォーマットは後述するキッティングツールからもコピーできます。
SORACOM Harvest Data の有効化
データを格納するため、SORACOM Harvest Data を有効化します。[基本設定] > [SORACOM Harvest Data 設定] を展開し、サービスを ON にし、[保存] をクリックします。
SORACOM Orbit の設定
設定を ON にし、CODE SRN 右側のアイコンをクリックします。
SORALET に beacon-gw-soralet、SORALET VERSION に LATEST を指定します。
DIRECTION の uplink にチェックを入れ、[保存] をクリックします。
ビーコン対応 GPS トラッカー GW のドライバ・キッティングツールをセットアップ
ドライバのセットアップ
以下 URL のメーカー Web サイトよりダウンロードします。
「ビーコン対応GPSトラッカーGW」の「USBドライバ ダウンロード」から、お使いのOSバージョンに合わせたファイルをダウンロードしてください。
https://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/office/iot/development/download/
ビーコン対応GPSトラッカーGWの設定は、Windowsのみで行うことが可能です。
ダウンロード後、exe ファイルを実行してドライバーをインストールします。
ドライバのインストール時にセキュリティの警告が出る場合があります。「詳細情報」> 「実行」のクリックによりインストールを続行してください。
キッティングツールのセットアップ
キッティングツールは PC よりビーコン GW を設定するためのツールです。ダウンロードページよりダウンロードします。
ダウンロード後、exe ファイルを実行してキッティングツールを起動します。
キッティングツールの実行時にセキュリティの警告が出る場合があります。「詳細情報」> 「実行」のクリックによりインストールを続行してください。
なお、2回目以降で表示されることはありません。
セットアップの確認
ドライバのインストールとキッティングツールの起動が完了した状態で USB にてビーコン GW を PC に接続し、キッティングツールの「端末へダウンロード」ボタンをクリックします。
「設定ファイルの保存」を行いますか?といったダイアログについては、この時点では “いいえ” を押してください。
「ポート」にて COMXX が確認できればセットアップが正常に完了しています。
このダイアログでは “キャンセル” を押してください。
BLE センサーの準備
BLE センサーの確認
ビーコン対応GPSトラッカーGWスターターキット(BLE温湿度センサー3個セット)に同封されている温度・湿度センサー搭載 BLE ビーコン「MM-BLEBC7」(以後、BLE センサー) を取り出し、全てのBLEビーコンの裏面に 12 桁の英数字が記載されていることを確認します。こちらは後程キッティングツールで使用します。
MM-BLEBC7 背面の様子
BLE センサーの起動
3台のBLE センサー裏面のボタンを長押しして起動します。表面で青色 LED が 5 秒ほど点灯したことを確認できたら、電源が ON になっています。
5 回の点滅が見られる場合は電源が OFF となっていますので、再度長押ししてください。
キッティングツールの設定
共通項目
キッティングツールを起動し、[共通項目] を以下のように設定します。各設定項目の詳細はビーコン対応 GPS トラッカー GW ユーザーガイド – 機能の説明を参照して下さい。
目 | 値 |
---|---|
Step1 利用モード | ゲートウェイモード (時間指定) |
利用時間 1 | 任意の時間 (例では 0:00 ~ 23:59) |
Step2 クラウドへの送信項目 | ビーコン情報を送信する (位置情報を送信する、は OFF にする) |
ビーコンを受信する周期 | 100 ms |
受信許可時間 | 100 ms |
RSSI | 90 dBm |
Step3 ビーコン情報のクラウドへの送信条件 | 一定期間に一回のみ |
時間 | 180 秒 |
「利用時間1」で指定した時間にデータが送信されます。常に送信したい場合は 0:00 ~ 23:59 のように指定してください。日を跨いだ指定も可能です。
ビーコン項目
今回は3台のセンサーをそれぞれ「冷蔵室」「冷凍室」「野菜室」に置き、センサー1つで温度・湿度の2つをセンシングするので、このビーコン項目は計6回設定することになります。
ビーコン項目タブを開き、No.1 の行にて右クリック > [編集] を選択します。
以下のように設定します。
項目 | 値 |
---|---|
機種 | MM – BLEBC7 サンワサプライ |
要素1 | センサー裏面に記載された 12 文字の英数字 |
要素2 | FFE1 (変更不要) |
センサー | 温度 |
これで1台目のセンサーの温度のセンシングが可能となります。
以降、1台目の湿度の設定、そして2台目/3台目の設定を以下の通り行ってください。
スロット | 設定 |
---|---|
1 | 要素1 (AdvA): 冷蔵室用センサーの裏面の英数字, センサー: 温度 |
2 | 要素1 (AdvA): 冷蔵室用センサーの裏面の英数字, センサー: 湿度 |
3 | 要素1 (AdvA): 冷凍室用センサーの裏面の英数字, センサー: 温度 |
4 | 要素1 (AdvA): 冷凍室用センサーの裏面の英数字, センサー: 湿度 |
5 | 要素1 (AdvA): 野菜室用センサーの裏面の英数字, センサー: 温度 |
6 | 要素1 (AdvA): 野菜室用センサーの裏面の英数字, センサー: 湿度 |
(参考) バイナリパーサーのフォーマットのコピー
ここで「共通項目」タブへ移動し、クラウドの送信データフォーマットを「表示」をクリックします。
「9. SORACOM のグループ設定」にてコピー・ペーストしたバイナリパーサーのフォーマットがコピーできます。今後利用モードや送信項目などを変更する際はフォーマットが変更されますので、このメニューから再度コピーしグループ設定に貼り付けてください。当手順では何もしません。
データの送信開始
キッティングツールの「端末へダウンロード」より、設定情報をビーコン GW へダウンロードします。ビーコン GW の再起動後、データが 180 秒間隔で送信されます。
「設定ファイルの保存」を行いますか?といったダイアログについては、任意です。保存しておくことで再利用が可能となりますので、保存をお勧めいたします。
データの確認
SORACOM ユーザーコンソールの SIM 一覧画面よりビーコン GW の SIM を選択し [操作] > [データを確認] を選択します。
sns1 ~ sns6 のデータが送信されていることを確認します。
データはBLEセンサー毎に送信されます。そのため、3台稼働している場合は3件のデータとして送信されてきます。
設置する
SORACOM Harvest Data 動作の確認ができたらBLEセンサー3台、およびビーコン対応GPSトラッカーGWを設置しましょう。
ビーコン対応GPSトラッカーGW
ビーコン対応GPSトラッカーGWはバッテリーもしくはUSBポートを持つACアダプタを電源にできます。BLEセンサーに近く、LTE-Mの通信が可能な場所に設置してください。
BLEセンサー
BLEセンサーをそれぞれ「冷蔵室」「冷凍室」「野菜室」に設置します。
設置した後は再度SORACOM Harvest Dataにてデータが収集できているか確認してください。
冷蔵庫によっては電波を遮ってしまうタイプのものがあり、BLEセンサーとビーコン対応GPSトラッカーGWとの通信ができずに、データ収集に失敗してしまう場合があります。設置位置を変更してみてください。
SORACOM Lagoon でダッシュボードを作成する (有効化まで)
SORACOM Harvest Data に蓄積されたデータを SORACOM Lagoon で活用していきます。
SORACOM Lagoon 用語解説
ここで SORACOM Lagoon で使われる用語を解説します。
用語 | 意味 |
プラン | SORACOM Lagoon の契約プランです。プランによって機能と料金が異なり、今回は無料の Free プランを利用します。SORACOM Lagoon のご利用料金に機能や料金の比較表があります。 |
SORACOM Lagoon ユーザー(Lagoon ユーザー) | SORACOM Lagoon へログインするためのユーザー( ID とパスワードの組)です。 SORACOM ユーザコンソールへのログインとは異なるユーザ一覧となり、皆さん自身で登録・削除が可能です。ダッシュボードやパネルを編集できる「編集可能」と表示専用の「読み取り」の2段階の権限を設定できます。作成可能数はプランによります。 |
リソースの種類 | 表示するデータの種別です。SORACOM Lagoon では以下の4つの中から選び、その中からノード(SIMや回線)を選択します。 ・Air = SORACOM Air for セルラー (SORACOM IoT SIM) ・Lora = SORACOM Air for LoRaWAN デバイス ・Sigfox = SORACOM Air for Sigfox デバイス ・Device = SORACOM Inventory デバイス 今回はSIMなので、「Air」の SIM を選択します。 |
パネル (Panel) | パネルはデータを表示する領域です。データソースとメトリクスを指定すると、そのメトリクス(たとえば SIM )のデータをパネルで使えるようになります。様々なパネルが存在します。 |
ダッシュボード (Dashboard) | 複数のパネルを束ねて「1枚の画面」にしたものがダッシュボードです。共有の画面表示単位となります。 |
アラート (Alert) | リソースのメトリクスデータに対して条件を設定し、その条件を満たしたら通知を行う仕組みの事です。 |
データリフレッシュ | SORACOM Harvest から SORACOM Lagoon へデータが反映される事、もしくは反映タイミングとなります。反映タイミングはプランによります。 |
SORACOM ユーザーコンソールの[Menu]>[データ収集・蓄積・可視化]>[SORACOM Lagoon]とクリックします。
[SORACOM Lagoon の利用を開始する]をクリックします。
プランのうち Free の[選択する]ボタンクリックし、[次へ]をクリックします。
SORACOM Lagoon ユーザーの初期ユーザーに設定するパスワードを入力した後、[利用開始]をクリックします。
SORACOM Lagoon ユーザーの初期ユーザの ID は?
ID は SORACOM ユーザコンソールにログインしたときのメールアドレスが使われることになります。そのため、ここではパスワードのみ設定することになります。SORACOM ユーザコンソールへのログインとは異なるパスワードを設定する事を強くお勧めします。
利用開始がクリックできない場合は?
パスワードの条件が不足しています。全てに✔がつくようにパスワードを設定してください。
SORACOM Lagoon の有効化に成功すると、以下のように SORACOM Lagoon コンソールへのリンクが表示されます。この画面を SORACOM Lagoon 管理画面と呼びます。
Lagoon 3 で SORACOM のデータを取り扱うために、Lagoon 3 の利用を開始すると、オペレーターごとに Lagoon 3 専用の SAM ユーザーが作成されます。ただし、標準では、この SAM ユーザーには「Harvest Files にファイルをアップロードする権限」が付与されていません。そのため、Soracom X/Y Image で Harvest Files に画像をアップロードできません。
本レシピでは必要ありませんが、Harvest Files に画像をアップロードする機能を利用するには、ユーザーコンソールのSORACOM Lagoon画面で、[アクセスを許可] をクリックして、必要な権限を付与してください。
SORACOM Lagoon でダッシュボードを作成する (SORACOM Lagoon へのログインまで)
SORACOM Lagoon 管理画面を表示したあと、[SORACOM Lagoon3 コンソール]ボタンをクリックします。
SORACOM Lagoon 管理画面は [Menu]>[データ収集・蓄積・可視化]>[SORACOM Lagoon]で表示する事ができます。
SORACOM Lagoon へログインします。
メールアドレス (SORACOM ユーザコンソールへログインする際のメールアドレス) と、SORACOM Lagoon 初期ユーザ作成時に利用したパスワードでログインします。
ログインに成功すると、以下のような画面が表示されます。これが SORACOM Lagoon ログイン直後の画面です。ここから「ダッシュボード」や「パネル」を作成していきます。
背景を白くしたい
SORACOM Lagoon の標準では背景が黒となっています。これは設定で変更が可能です。左下のアイコンにカーソルを合わせて表示される[Preferences]をクリックします。
設定画面に “UI Theme” を “Light” に変更して[Save]ボタンをクリックすると、背景が白くなります。
SORACOM Lagoon でダッシュボードを作成する (ダッシュボードのインポートまで)
可視化する ビーコン GW の IMSI を控える
SORACOM ユーザーコンソールの SIM 管理画面より「詳細」をクリックし 15 桁の数字の IMSI を控えます。
サンプルダッシュボードを利用する
SORACOM Lagoon では JSON 形式で記述されたモデルをインポートできます。全てのパネルを自身で作成することも可能ですが、作成したいイメージに近いサンプルダッシュボードをインポートできれば作成の時間を短縮でき、その後カスタマイズできます。
ここでは、インポートのためのテンプレートを作成します。ビーコン対応 GPS トラッカー GW のサンプルダッシュボードを開き、「このダッシュボードを使う」をクリックします。当ページでは、SIM の IMSI をもとに Lagoon ダッシュボードのテンプレートを作成します。
先ほど控えた IMSI を入力し、「テンプレートを作成する」をクリックします。
続いて「テンプレートのインポート」画面では「クリップボードへコピー」、「SORACOM Lagoon でインポート」をクリックしてください。なお、今後のために保存しておきたい場合は「JSON ファイルとしてダウンロード」利用してください。
「SORACOM Lagoon でインポート」をクリックすると、Lagoon のインポート画面に遷移します。「Import via panel json」に先ほどクリップボードにコピーした JSON を貼り付けてください。Windows の場合は Ctrl + V
、Mac OS の場合は ⌘ (Command) + V
で貼り付けできます。[Load]ボタンをクリックして進めます。
JSON ファイルが貼り付けられなかった場合は、再度先ほどのサンプルダッシュボードのページよりコピーしてください。
インポートの詳細画面に遷移します。Harvestにて [Harvest] を選択し、「Import」ボタンをクリックしインポートを実行します。
「Access denied to this dashboard」と表示されることがあります
[Folder] で「General」を選択して [Import] をクリックすると、「Access denied to this dashboard」と表示されますが、動作に影響はありません。
すでに Lagoon でダッシュボードを作成している場合、「作成数の上限に達しています」と表示される可能性があります。不要なダッシュボードがあれば削除した後、再度インポートしてください。削除できるダッシュボードがなければ、プランのアップグレードを検討してください。プランごとの料金は、SORACOM Lagoon のご利用料金を参照してください。
インポートに成功すれば、ダッシュボードが表示されます。サンプルダッシュボードの解説やカスタマイズは「ビーコン対応 GPS トラッカー GW と SORACOM Lagoon で高度に可視化する」を参照してください。
以上で全ての設定が終了です。
あとかたづけと注意事項
本レシピでは費用がかかるサービスを利用しています。
本項をよく読み、必要な操作や解除作業を行うようにして、想定外の費用が掛からないようにしてください。
費用について
ここで記載している金額は全て税込み、送料別となります。
SORACOM プラットフォームの利用料金
サービス/機能 | 料金 |
SORACOM Air (plan-D) | 基本料: 11円/日通信料: 0.22円~/MB(今回の利用であれば 1MB 以内で収まる範囲) |
SORACOM Harvest Data | 本機能を有効にしたグループに所属する1SIMあたり5.5円/日 (2000リクエスト/日/SIMを含む)2000リクエスト/日を超えた分は0.0044円/リクエスト |
SORACOM Lagoon | 今回は Free プラン(無料)を使用しました。 |
SORACOM Orbit | 本機能を利用したSIMあたり22円/日、10,000 リクエストあたり 44円 |
無料利用枠について
SORACOM サービスでは一部サービスにおいて無料枠が設定されています。たとえば SORACOM Air for セルラーであればアカウント毎で30円/月の通信分や、SORACOM Harvest Data であれば31日分の書込みリクエスト、SORACOM Orbit であれば 1SIM 分の無料利用枠、10,000 リクエスト分のリクエスト無料利用枠などです。料金詳細に「無料利用枠」として掲載されていますので、ご確認ください。
グループ解除
SORACOM Harvest Data 等、「機能が有効になっているグループに所属している SIM × 費用」となっているサービスにおいては、「機能を OFF にする」することで費用の発生を抑えることができます。またもう1つの方法として「グループに所属している SIM の数を減らす(= 解除する)」事でも費用を抑える事ができます。
グループ解除の方法はグループからの解除 (JP)をご覧ください。
SORACOM Harvest Data のデータ削除(任意)
SORACOM Harvest Data は基本的にはデータ保管料は無料※です。そのため、保存しておいても害はありませんが、デモ等で利用する際にはデータを綺麗にしておく必要が出てくるため、データ削除について解説します。
※発生から40日を超えたデータは削除されます。40日以上データを保管したい場合はデータ保持期間延長オプション利用料金をご利用ください。
SORACOM Harvest Data 画面 ([操作]>[データを確認]) のデータテーブルで、削除したいデータのチェックボックスを付けた後に[削除]をクリックします。表示されたダイアログで改めて[削除]をクリックすると、削除されます。
※ 複数のデータにチェックをつければ一括で削除可能です。
データの復元はできませんのでご注意ください。
SORACOM Lagoon の解約
SORACOM Lagoon はオンラインで解約が可能です。 Free プランであれば有効化しておいても費用は発生しませんが、長期に渡って利用しない場合には解約も選択いただけます。
解約の方法はSORACOM Lagoon の解約(JP)をご覧ください。
次のステップ
本レシピではビーコン対応 GPS トラッカー GW による「冷蔵庫の温度監視システム」を作りました。この後の発展形について解説します。
アラート機能の設定
SORACOM Lagoon は可視化を行うダッシュボードの作成だけでなく、値に応じたアラートを作ることも可能です。アラートのアイディアは以下の通りです。
- 開けっ放しや停電などによる温度の上昇を検知したアラート
- バッテリー残量の低下を検知したアラート
スマートフォンからの閲覧(データの共有)
SORACOM Lagoonはスマートフォンやタブレットからの表示に対応しています。外出先や他の方との情報共有に利用可能です。スマートフォンで見た時の様子がこちらです。
Maker および Pro プランなら、閲覧専用ユーザーを作ることができます
SORACOM Lagoonの上位プラン「Maker」もしくは「Pro」であれば、閲覧専用ユーザーを作成できます。これにより、情報共有の範囲や運用の柔軟性を高めることが可能です。詳しくはSORACOM Lagoon のご利用料金をご覧ください。