SORACOM
Funnel
クラウドリソースアダプター
SORACOM Funnel (以下、Funnel) は、デバイスからのデータを特定のクラウドサービスに直接転送するクラウドリソースアダプターです。 Funnel でサポートされるクラウドサービスと、そのサービスの接続先のリソースを指定するだけで、データを指定のリソースにインプットすることができます。任意の転送先を設定できる SORACOM Beam と異なり、Funnel は連携している特定のクラウドサービスにデータ転送機能を提供しています。
プロトコルは、HTTP、TCP、UDPに対応しています。デバイスは、これらのプロトコルに対応したシンプルな実装だけでクラウドサービスへのデータのインプットが可能となります。
従来、IoT デバイスからクラウドサービスにデータを送信する場合には、IoT デバイスに SDK をインストールするか、お客様ご自身でクラウドサービスへデータの中継を行うサーバを立てたりする必要がありました。 また、クラウドサービスへアクセスするためのパスワードなどの重要な情報をデバイス側に持たせる必要があり、セキュリティ面でも懸念がありました。
Funnel では、サポートされるクラウドサービスと、そのクラウドサービスの接続先のリソースを指定するだけで、データを指定のリソースにインプットすることができます。クラウドサービスへアクセスするためのパスワードをデバイスに保持する必要もありません。 お客様は最小限の手間で、迅速にクラウドサービスを利用することができるようになります。
Funnel は、以下の 5 つのクラウドサービスに対応しています。
- AWS IoT
- Amazon Data Firehose
- Amazon Kinesis Data Streams
- Microsoft Azure Event Hubs
- Google Cloud Pub/Sub
また、Funnel は Partner Hosted Adapter として、以下に対応しています。
Partner Hosted Adapter とは、SORACOM パートナースペースの認定済みパートナー様が運営するクラウドサービスなどへの接続機能を提供します。お客様は、いずれのアダプタを利用する場合も、クラウドサービスと、そのサービスの接続先のリソースを指定するだけで、データを指定のリソースにインプットすることができます。
- 日本カバレッジ
- ArcGIS Online (ESRIジャパン株式会社)
- DataSpider Cloud (株式会社セゾン情報システムズ) (*1)
- Impulse (ブレインズテクノロジー株式会社)
- VantageCloud (日本テラデータ株式会社)
- LANDLOG (株式会社 Earthbrain)
- MMCloud (株式会社YE DIGITAL)
- MotionBoard (ウィングアーク1st株式会社)
- OPTiM Cloud IoT OS (株式会社オプティム)
- SensorCorpus (株式会社インフォコーパス)
- Thing Interaction Framework (Kii 株式会社)
- Torrentio (アクロクエストテクノロジー株式会社)
- グローバルカバレッジ
- ArcGIS Online (ESRIジャパン株式会社)
- SensorCorpus (株式会社インフォコーパス)
(*1) DataSpider Cloud のサポートは 2025 年 4 月 30 日で終了します。詳しくは SORACOM サービス更新情報をご覧ください。
詳しい設定方法はユーザーサイトをご確認ください。
サービスの特長
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IoT デバイスからクラウドへのデータ送信が簡単に
SORACOM Funnel は、以下のような機能を提供することでお客様の IoT システムの通信の暗号化を支援します。- CPU や電力制限によって暗号化処理ができない IoT デバイスに代わって、SORACOM プラットフォームからクラウドサービスまでの通信を暗号化します。
- TCP や UDP でしか送信できない IoT デバイスの通信を、SORACOM プラットフォーム上でクラウドサービスで一般的に採用されている暗号化プロトコルである HTTPS に変換します。
接続先の切り替え
Funnel を利用することで、IoT デバイス側ではデータの送信先を Funnel エンドポイント(funnel.soracom.io:23080)に固定することができます。Funnel からのクラウドサーバーへの接続情報は、Funnel の Web コンソール(ユーザーコンソール)もしくは API を利用して、IoT SIM のグループ単位で設定することができます。
これにより、例えば、テスト環境と本番環境の切り替えでクラウドサービスの接続先を変更する必要が生じた際には、Funnel のユーザーコンソールを利用した簡単な操作や、プログラムから API を利用して、お客様の IoT デバイスの通信先を一括して変更することができます。従来のように、多数配備された IoT デバイス一つ一つに再設定処理を行う必要はありません。データ通信量と消費電力の削減
SORACOM Funnel とバイナリパーサーを使用することで IoT デバイスからバイナリでデータを送信し、クラウドサービス側は JSON 形式で受信することが可能です。通信している時間がモデムが起動している時間となるため、1 秒でも早く通信が終了すれば、その分モデムへの電力供給をカットし省電力に貢献します。
活用シーン
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IoT デバイスを遠隔地で運用する
IoT デバイス運用において、認証情報とデバイスからのデータ送信先設定をデバイス内部に持たせると、変更時に OTA またはデバイスを回収して作業する必要が生まれます。SORACOM Funnel を利用することで、デバイスのデータ送信に必要な認証情報および送信先の情報を SORACOM ユーザーコンソール上でコントロールできます。
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デバイス/サーバーで異なるプロトコル
SORACOM Funnel を利用すると、IoT デバイスから HTTP/TCP/UDP で送信されたデータを HTTPS でクラウドサービスに転送できます。SORACOM Funnel で暗号化を実施することで、セルラー通信区間の上りデータ量が減少、運用コストの削減にもつながります。
料金プラン
SORACOM Funnel はリクエスト数に応じた従量課金です。初期費用、基本料金は必要ありません。
月々の無料利用枠もございます。
基本料金
無料
従量課金
- 日本カバレッジ 1 リクエスト(*) あたり 0.00198 円
- グローバルカバレッジ 1 リクエスト(*) あたり 0.0000198 USD
(*) Funnel からクラウドサービスへのリクエストごとに 1 リクエストとカウントします。
SORACOM Funnel を使って、短い間隔(1 秒に 1 リクエスト等)でデータ送信することを検討されているお客様は、こちらよりお問い合わせください。
VPG 経由の SORACOM Air for セルラーからの SORACOM Funnel のサービス利用料は無料となります。
ただし、Private Garden, Public Gate では SORACOM Funnel のサービス利用料が発生します。
無料利用枠
1 アカウントあたり月間 50,000 リクエスト。未使用の無料利用枠が翌月に持ち越されることはありません。
活用レシピ
IoTプロジェクトによる問題解決の具体的なプロセスについて、
センサーデバイスの調達から、現場のデータ取得・可視化という一連の流れでご紹介しています。
よくある質問
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お試し利用はできますか
SORACOM Funnel は無料利用枠をご提供しています。
1アカウントあたり月間 50,000 リクエストまで毎月無料となりますので、安心して機能の確認をしていただくことが可能です。 -
SORACOM Funnel は、SORACOM Beam とどう違いますか
主な違いは、次のとおりです。
- SORACOM Funnel は特定のクラウドサービスにデータを転送します。SORACOM Beam は任意の宛先へデータを転送します。
- SORACOM Funnel から送信されるデータはクラウドサービス用にフォーマットされます。SORACOM Beam はデータをそのまま転送します。
- SORACOM Funnel のデータ転送は非同期に行われるため、デバイスは転送先の処理を待たずに次のデータを送信できます。SORACOM Beam のデータ転送は同期的に行われるため、デバイスは転送先の処理を待ち、レスポンスとして受け取ることができます。
詳しくはユーザードキュメントを参照してください。
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SORACOM Funnel を使わなくてもクラウドへデータ送信は可能ですか
はい、可能です。
SORACOM Air (IoT データ通信サービス) は、いわゆるスマートフォンの通信と同様にインターネット接続が可能となるため、SORACOM Air のみのご利用でも IoT デバイスから直接サーバと通信する形でのデータ収集が可能となります。この場合、サーバへアクセスするための認証情報や通信データの暗号化はデバイスで行うことになります。もし、この手間(認証情報や暗号化)を低減したい場合は、SORACOM Air に加えて SORACOM Funnel をご活用いただくことで解決します。認証情報や暗号化を IoT デバイス側ではなく SORACOM User Console で設定いただけます。 -
SORACOM Funnel に送付したデータは他の SORACOM サービスでも使えますか
Unified Endpoint による複数サービスでのデータ利用が可能です。
Unified Endpoint は、統合された一つのエンドポイントとなっており、SORACOM Funnel だけでなく、SORACOM Beam、SORACOM Funk、SORACOM Harvest Data にデータを送信することができます。また、Unified Endpoint に送信したデータを複製し、それぞれに転送することができます。
Unified Endpoint の詳しい設定方法は、ユーザー向けサイトのユーザードキュメントをご確認ください。 -
IoT デバイスから SORACOM Funnel 以外へのアクセスを制限する方法はありますか
Private Garden 機能を利用いただくことで実現できます。
Private Garden 機能は、Beam, Funnel, Funnel, Harvest のエンドポイント以外にアクセスできない機能です。デバイスから直接インターネットにアクセスできないため、よりセキュアにソラコムのサービスを利用することができます。利用方法については、ユーザー向けサイトのPrivate Garden 機能を使用するをご確認ください。
ご利用いただけます。